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四角穴加工をご検討中の方必見!加工方法の基礎から業者を選ぶポイントまで詳しく解説します

2024/7/31

四角穴 形彫放電 (四隅拡大)

四角穴加工とは?

四角穴加工とは、穴の断面を四角形に加工する方法を指します。四角穴に加工する方法はいくつかあり、穴径やワークの種類・厚み・寸法などによって選ばれる方法は異なります。

使用する工作機械も異なりますので、金属加工全般に対応している会社でも、場合によっては対応できないことがあります。もし加工会社をお探しでしたら、図面通りの四角穴加工が可能かどうか、一度お問い合わせをされるとよいでしょう。

昭和製作所では、主にワイヤー放電加工機形彫放電加工機マシニングセンタNC旋盤を用いて四角穴加工を行います。今回は弊社の加工技術についてもご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。

四角穴加工を行う目的

四角穴加工を行う主な目的は、以下の通りです。

  • 嵌め合わせる部品や工具との固定性を向上させる
  • 部品の位置を合わせやすくする

円形の穴に部品を挿入すると、回転に対する抵抗が少ないため、十分に固定されません。そういった場合、回転しにくい四角形や六角形などの角形にすることで、固定性を高めることができます。固定性が良くなる分、トルク(回転させる力)が強くなるため、ネジなどの破損防止にもつながります。

また、四角穴は、同じ大きさ・形状の部品しか嵌らないため、他の部品との位置合わせも容易になります。このことから、固定性が必要になる機械や装置の部品や工具、または位置決め治具や固定治具などに四角穴加工が行われることが多いです。

四角穴加工であけられる穴のサイズ

四角穴加工であけられる穴のサイズは、使用する機械の種類によって異なります。たとえば、マシニングセンタやNC旋盤といった工作機械は、工具を用いてワークを切削・切断します。工具やワークが動く範囲内で穴をあけることはできますが、工具よりも小径の穴はあけられません。

対して、ワークを溶融して穴をあけることができる放電加工機を使用する場合は、マシニングセンタや旋盤よりも小径の穴をあけることができます。

対応可能な穴径につきましては、どのような機械を保有しているかによって異なりますので、冒頭でもご説明したように、ご依頼を考えている加工会社に直接お問い合わせして確認されるとよいでしょう。
昭和製作所は、ご依頼内容に応じた加工方法をご提案いたしますので、まずは一度ご相談いただければと思います。

四角穴加工に用いられる主な加工機について

四角穴加工ができる加工機はいくつかありますが、昭和製作所では主に以下を用いて加工を行います。

  • マシニングセンタ
  • 形彫放電加工機
  • ワイヤー放電加工機
  • NC旋盤

ご依頼によって加工方法や使用する機械を検討するには、金属加工に対する専門的な知識や現場での経験が必要になります。昭和製作所はそういった知識や経験が豊富ですので、お客様と綿密な打ち合わせを行った上で、使用する機械や方法を検討します。

では、上記でご紹介した加工機を用いてどのような加工ができるのか、具体的にご説明します。

マシニング加工

四角穴 マシニング SUS304

図:マシニング加工(材質:SUS304, 穴形状:15×15×15)

マシニング加工とは、ドリルやエンドミルといった工具を回転させてワークを切削する方法です。X軸(横)・Y軸(縦)・Z軸(高さ)の軸を動かして切削することで、四角穴のような角穴形状ができます。プログラムにしたがって工具の動きを制御するため、精度の高い加工ができることが特長といえるでしょう。

マシニングセンタで四角穴を加工する際、穴に入る部品を考慮して加工をする必要があります。一般的に部品寸法で四角穴を加工する際に使用する刃物は丸形状の為、必然的に四隅がR形状となってしまいます。

四角穴 四隅に刃物Rが付いている

図:四隅に刃物Rが付いている場合

四角穴 刃物先端 四角穴 マシニング

図:刃物先端拡大

一方、四角穴の四隅に刃物の逃げ加工することで、部品の角が干渉することなく入れることができる様になります。

四角穴 四隅に刃物のニゲRが付いている

図:四隅に刃物のニゲRが付いている場合

マシニング加工は鉄系、非鉄系問わずあらゆる材料を加工することができます。しかし、硬い材料・深い加工形状・厚みのあるワークの場合、加工に必要な工具・治具等の製作によりコストが大幅に掛かるといったデメリットがあります。

形彫放電加工

四角穴 形彫放電加工 SUS304

図:形彫放電加工(材質:SUS304, 穴形状:15×15×15)

形彫放電加工は、電気を流してワークと電極の間で放電現象を起こし、ワークを溶かしながら彫るように加工する方法です。加工形状の電極(型)を用意することで、その形状に転写することができます。四角穴の場合は、立方体形状の電極を使用してワークに転写します。

形彫放電加工は彫るように転写するため、貫通していない形状や複雑形状の加工も可能です。また、四隅をピン角にすることが可能となります。

四角穴 形彫放電(四隅拡大)

図:形彫放電加工(四隅拡大)

インコネルやダイス鋼のような硬い材料でも対応可能です。ただし、導電性がない材料(樹脂や表面処理されている材料)だと加工できない点や、加工の前段階として電極を製作する時間が必要な為、コスト高並びにリードタイムが長くなります。

また導電性があっても放電と相性の悪い材料もあるため、その際はコストが高くなってしまうことや、条件を提示させていただくことがございます。

ワイヤー放電加工

四角穴 ワイヤー放電 SUS304

図:ワイヤー放電加工(材質:SUS304, 穴形状:15×15×15)

ワイヤー放電加工とは、電極であるワイヤーに電流を流すことでワークを溶かし、切断する方法です。ワイヤーを用いて焼き切るようにして、四角穴や円形などさまざまな貫通形状をつくることができます。また、四隅をほとんどピン角(R0.1~R0.2程度)にすることもできる為、マシニングセンタで四角穴を加工する際、必要なニゲが不要となります。

形彫放電加工と同様、インコネルやダイス鋼のような硬い材料でも対応可能です。定形のワイヤー線を使用して加工を行う為、形彫放電加工のように電極を加工する必要はありません。また、切削加工では難しい複雑形状に切断できるのもメリットの一つです。ただし、ワイヤー放電加工は電気が流れない材料には使用できず、加工に時間がかかるといったデメリットがあります。

旋盤加工

旋盤加工は、回転させたワークに工具を当てることで、目的とする形状に切削することができます。ワークを回転させるため、四角穴のような形状は難しいのではないかと想像される方もいらっしゃるのではないでしょうか。

旋盤で四角穴の形状に切削する場合は、ワークに下穴を開け「ブローチツール」という道具を押し当てて一緒に回します。密着しているように見えますが、実際にはブローチツールの刃は少し傾けて取り付けてあるため、ワークと刃は点で接し、回転につれて接する位置を変えながら少しずつ掘り進み四角穴の形状に切削できます

また、NC旋盤ではワークを固定して刃物を前後に動かす制御が可能で、カンナのような工具で下穴の隅を四角く削っていく方法もあります。

これらの加工法は、マシニング加工同様に、高い精度の切削を実現することができますが、長物の加工は苦手です。

四角穴加工における昭和製作所の強み

四角穴加工の目的や方法などをご説明してきましたが、いかがでしたか?今回ご紹介したような四角穴加工が行える会社は多く、どのような点を基準に会社を探せばよいか悩んでいる方もいらっしゃると思います。

会社を探す際は、以下のようなポイントを踏まえておくとよいでしょう。

  • 加工実績がある
  • 検査体制が整っている
  • ロット数や納期、対応範囲を確認する
  • 相談に乗りやすい
  • 見積内容を確認する

ここからは、弊社の強みや特徴をご紹介しますので、加工会社をお探しの方はご参考にされてください。

穴あけ加工における豊富な実績

先ほどもご説明した通り、弊社ではマシニング加工や調形放電加工などさまざまな方法による四角穴加工に対応しており、豊富な実績があります。これまでに試行錯誤を重ねて向上させた技術や、蓄積してきた豊富な経験と知識を最大限に活用し、お客様のご要望にお応えいたします。

弊社の穴あけ加工の内容や実績につきましては、過去の記事でもご紹介しておりますのでそちらもぜひご覧ください。

穴あけ加工についてはこちら>
六角穴加工についてはこちら>

四角穴以外のポケット加工やスリット加工も対応可能

金属加工のニーズに応えるためには、対応できる加工機と熟練した技術者が必要です。昭和製作所では穴あけ加工のほか、ポケット加工やスリット加工など、治具・部品・試験片製作に求められる加工全般に対応しています。

スリット加工について技術や対応範囲についてはこちら>

四角穴 極小スリット

ご依頼内容に合わせて柔軟にご対応させていただきますので、もし「こんな加工ができるか知りたい」など疑問やお悩みなどがありましたらお気軽にご相談ください。業界や現場に熟知した営業スタッフが、お打ち合わせを通して最適な加工方法を検討しご提案いたします。

四角穴加工は【昭和製作所】にお任せください

四角穴加工は、部品や製品によって高い精度を求められるケースもあります。昭和製作所では、そういった精度や品質が求められる穴や、微細穴の加工を得意としております。

四角穴 穴径サンプル断面

創業から60年以上、長年培ってきた経験や実績があるだけでなく、独自技術の開発・向上を目指しているからこそ、高い品質を誇る加工・製作の実現を可能とします。お客様からも弊社の品質にはご満足いただいており、ありがたいことに「また依頼をしたい」と言っていただくこともございます。

もし、四角穴などの加工会社をお探しでしたら、昭和製作所へご相談ください。

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