FCD450の切削性を昭和製作所が解説
FCD450の切削性などの性質を知ることで、部品や製品の材料選定に役立てることができます。特にFCD450などの鋳鉄は、切削性のほかに注意する点があります。材料選定をされている方、またFCD450の加工会社をお探しの方は本記事を参考にされてください。
昭和製作所ではFCD450の加工に対応しております。ただし、治具や部品の製作依頼において、数量が多い場合や、サイズが大きい場合は要相談となりますので、まずはお問い合わせください。
FCD450(ダクタイル鋳鉄)の基本的な知識
FCD450はダクタイル鋳鉄の一種です。ダクタイル鋳鉄を表すFCDは、Ferrum(鉄)、Casting(鋳物)、Ductile(延性のある)の頭文字を取って表しています。表記名の由来から、ダクタイル鋳鉄は延性に優れた鋳鉄であることがわかるでしょう。
FCDのあとに続く数字は引張強さを表しているので、FCD450は引張強さ450MPa以上の機械的性質を持ちます。このように強度に優れていることから、大きな力が負荷されることが想定される部材には、FCD450などのダクタイル鋳鉄が使用されます。
耐摩耗性と耐摩擦性が高い
FCD450は強度に優れているだけでなく、耐摩耗性や耐摩擦性にも優れています。異なる材料と摩擦が生じた際に擦り減ったり変形したりしにくく、黒鉛が潤滑剤としての役割も果たすため、材料間の摩擦も低減できます。したがって、FCD450は下記のような製品や部品の材料に選ばれます。
【FCD450の用途】
自動車部品、エンジンライナー、歯車、ローラー部品、水道の配管、ガス管など
このように、摩擦や摩耗が想定される製品・部品の製作には適した材料といえるでしょう。
FCD450の切削性について
FCD450の切削性については、金属製品や部品の製作を検討されていると気になるところでしょう。材料を選定する上で、切削性は重要な項目です。切削性が悪い材料であれば、図面どおりの形状に切削できなかったり、工具の寿命が短くなったりします。
FCD450は切削性が良好な材料です。しかし、実際に切削加工を行う際は、注意しなければならないことがあります。
- 切削時に材料が欠けやすい
- 切粉による機械への影響が大きい
鋳鉄は硬くて脆いという特徴があります。ただ、FCD450はねずみ鋳鉄よりも靭性に優れているため切削性は良いのですが、一般的な鋼材よりは劣っています。よって、割れやすい材料であるため、慎重に切削する必要があります。
また、切削液と切粉が混ざってヘドロ状になり、機械内部に入り込んで部品の目詰まりを起こす場合があります。このような理由で業者によっては切削加工を断られることがあるため、FCD450の切削加工を依頼する際は、引き受けてもらえるか事前に確認しましょう。
昭和製作所では、保有している加工機の一部※で 切削加工を行います。
※切断機、汎用加工機、マシニングセンタ、NC旋盤、平面研削盤、放電加工機
高硬度なのに加工がしやすい
FCD450は硬度が高い素材ですが、切削性に優れています。その理由はなぜでしょうか。一般的に、硬度が高い材料ほど切削性は劣ります。硬い材料は切削抵抗が大きく、工具が摩耗しやすくなるからです。
それに対して、FCD450の切削性が良好で加工しやすい理由は、先述したように靭性に優れているからです。黒鉛が潤滑剤のような役割を果たすことや、切粉が細かいことから、比較的切削しやすいのです。
同じ鋳鉄でも、白鋳鉄はより高硬度であることから切削性は悪く、加工が困難となります。このように、種類によって切削性が異なりますので、材料選定の際は注意が必要です。
FCD450の切削加工における昭和製作所の強み
FCD450の切削加工において先述したように、昭和製作所では保有する一部の加工機を用いて対応します。弊社では治具や部品の加工も行っておりますが、特に試験片製作においては多くの実績があり、少量多品種に対応しています。FCD450など、鋳鉄素材の試験片製作をお考えの方、他社で依頼をお断りされて困っている方はどうぞ昭和製作所にご相談ください。
ここからは、昭和製作所の加工技術や製作実績をより詳しくご紹介します。
試験片製作において複雑な形状からの切り出しが可能
試験片製作は、材料の切り出しから行います。しかし、複雑な形状の製品は切り出しが難しいことから、製作を断られるケースがあります。
昭和製作所は、複雑な形状でも工夫することで複数個の切り出しを可能にします。他社で難しいと断られた依頼でも、弊社は長年の経験により対応可能です。これまでも、こういった難案件を引き受けてきた実績があります。もし、こういった理由で依頼を断られ、他の製作会社を探されている方は、一度昭和製作所までご相談ください。
高い技術力と豊富な実績により高精度・高品質を実現
試験において正確なデータを取るためには、高い精度の試験片が必要となります。
昭和製作所は、高精度な試験片を製作するために、細心の注意を払いながら加工を行います。そして、各工程において必要な検査を行い、安定した品質で信頼できるデータが得られる試験片を納品いたします。
なお、昭和製作所では、JISQ9100(航空・宇宙・防衛品質マネジメント規格)の認証を取得しており、品質・サービス向上のための体制を整えています。
FCD450を使った製作実例(試験片)
FCD450の試験片の製作事例をご紹介します。材料をご支給いただいたケースでは、次の試験片を製作しました。
- JIS3号引張試験片
- 丸棒引張試験片
- 衝撃試験片
- 弾性率測定試験片
- 超音波探傷用試験片
※これらはあくまで製作事例の一部です。
こちらで材料をご用意して加工することも可能です。また、材料試験片(破壊)、超音波探傷用試験片(非破壊)のどちらも製作に対応しています。
その他の鋳鉄材の製作事例はこちらの事例ページをご覧ください。
FCD450の切削加工のご依頼は昭和製作所へ!
FCD450の切削加工に対応している会社は限られているため、加工会社を探すのに難航されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。昭和製作所ではFCD45の加工に対応しておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
弊社の営業担当は、金属加工における加工方法や素材について熟知しておりますので、相談内容にあわせてご案内をさせていただきます。もし、ご依頼時にFCD450などの材料以外にもご不明な点がございましたらいつでもご相談ください。
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連絡先:03-3764-1621
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