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六角穴の加工方法|形彫り放電加工機と旋盤・ブローチ・シェーパー加工についてもご説明いたします

2023/7/5

六角穴の加工方法について解説します

今回は、六角穴の加工方法や、弊社の多数の実績などをご紹介いたします。

様々な難しい加工やご依頼にもご対応いたします。

昭和製作所までご是非、ご連絡をお待ちしております。

六角穴加工とは?

日常生活の中で見かける六角形の穴といえば、六角穴つきボルトを連想する方がいるのではないでしょうか。

組み立て式の家具を購入すると、箱の中に六角レンチと一緒に梱包されていますね。

六角穴つきボルトの特徴は、締め付け力が強く、しかも狭いスペースで強く締められることです。

普通のねじやボルトでは、締めるときにドライバーやレンチが滑ってしまって、ねじやボルトの頭を傷つけてしまうことがあります。

その点、六角穴付きボルトでは、穴の中に工具がぴったり収まるため、安心して回せます。

この特徴から、産業機器の分野でも締め付けには六角穴付きボルトが多用されています。

六角形の穴をあける方法はいろいろあり、使用する機械などによりそれぞれの方法にはメリットやデメリットがあります。

今回はねじやボルトの頭の六角穴の加工方法のお話です。

ねじ穴そのもののあけ方・方法については別の記事でご紹介しておりますので、ご参照ください。

ネジの種類や穴あけ加工について

六角穴加工の方法とメリット・デメリット

六角穴の加工方法は、大きく分けて3つあります。

弊社が得意とする形彫り放電加工機を使用した六角穴の加工方法と、旋盤を使用するブローチ・シェーパー加工の方法についてご紹介いたします。

形彫り放電加工機による六角穴加工

形彫り放電加工は、対象となる加工形状の電極を製作して通電し、対象物との間の放電の熱で溶かしながら加工する方法です。

昭和製作所では、この方法においてさまざまな大きさの六角穴形状を作る電極を用意しております。

*メリット*

  • 切削加工では加工しづらい硬度の材料・素材でも対応可能(通電性のある材料のみ)
  • 精度が高く複雑な穴も対応可能

*デメリット*

  • 素材を溶かしながら六角穴加工を行う為、切削加工と比べ時間がかかる
  • 表面の仕上がりがあまりきれいではない(素材を溶かす為 )

弊社が所有している放電加工機の紹介や過去の実績についてご紹介しておりますので、是非、ご覧いただきご相談等あれば、お気軽にお問合せ下さい!
ワイヤー放電加工

旋盤による六角穴加工

【ブローチ加工の方法】
旋盤による加工方法は回転する対象物に刃物を当てるため、丸い穴しか開けられないと思いがちです。

しかし、ブローチと呼ばれる特殊な工具を使うと六角穴ができます。

ブローチは、六角形の刃物とベアリングを組み合わせ、回転軸からわずかに1度傾けたものです。

刃物を送って対象物に当たると、ベアリングが入っているため刃物と対象物が一緒に回転します。

このとき、1度傾いているために刃物の1点だけが対象物に当たて削っており、回転に合わせて1点の場所がどんどん移っていきます。

このような方法により、刃物を送り込むにつれて、六角形ができるのです。

*メリット*

  • 一つの工具で荒加工から仕上げまで効率よく加工ができる
  • 精度が高く、短時間で加工ができ量産向けである

*デメリット*

  • 専用の切削工具を使用する為、少量生産には不向きである
  • 止まり穴加工は苦手
  • 角度(位相)の管理ができない
  • 深めの下穴加工が必要

【シェーパー加工の方法】
旋盤で下穴加工後、旋盤の回転を停止させた状態で刃物を往復させ、カンナのように少しずつ削る加工方法です。

六角形の角を一つずつ順番に少しずつ削っていく方法です。

一気に削ってしまうと、刃先に負荷がかかる為、材質に応じた切込み量にて加工を行うことが求められます。

*メリット*

  • 下穴の深さを浅くできる
  • 穴の大きさ、角度(位相)の微調整が可能

*デメリット*

  • 小さい六角穴の加工方法としては不向き
  • 加工時間が長い(一度に1コーナーを削れない為、切り込む回数が多い)
  • NC旋盤向けであり、汎用旋盤には不向き

六角穴加工の実績と対応範囲について

六角穴加工の方法をご紹介しましたが、ここからは実際にあった事例や対応範囲についてご説明します。

【形彫り放電加工機対応範囲】

  • 400×300×300(長さ×奥行×高さ)
  • 950×700×450(積載可能寸法)

【加工実績】

  • 六角穴追加加工
    材質:鉄系ボルト(ご支給材)
    六角穴サイズ:幅17mm×深さ10mm
    形彫り放電加工機にてご対応
  • 六角穴付ボルト M12
    材質:SUS304(自給材)
    六角穴サイズ:幅10mm×深さ6mm
    形彫り放電加工機にてご対応
  • 六角穴付きボルト 3/4-10 UNC
    材質:クロムバナジウム鋼(ご支給材)
    六角穴サイズ:幅10mm×深さ15mm
    形彫り放電加工機にてご対応
  • 六角穴付ボルトM16
    材質:インコネル718AG(自給材)
    六角穴サイズ:幅14mm×深さ6mm
    形彫り放電加工機にてご対応
  • 六角穴付ボルト(M12並目ネジ)
    材質:Ni基
    支給材(返却無し)

六角穴加工のご依頼の際は【昭和製作所】までお問い合わせください

本日の記事では、放電加工による六角穴の加工方法だけでなく旋盤を使う方法など、様々
な方法をご紹介いたしました。

今回ご紹介した事例以外にも弊社は多くの製作実績があります。

六角穴だけでなく「細かい穴あけ、スリット加工をお願いしたい」という、ご要望にお応えさせていただきます。

弊社は、スリット加工や穴あけ加工を得意としております。

ご相談や、詳細を知りたい方は、お問い合わせフォームまたは問い合わせ窓口(03-3764-1621)へ。

ご連絡をお待ちしております!