材料試験片(破壊)とは
材料試験片とは、ある部材や素材の強度や機械的性質などを調べる材料試験に用いるもので、その部材・素材から切り取って製作した小片を材料試験片といいます。
材料試験では、この製作した材料試験片に様々な負荷をかけ、破壊する事により性能を図ります。
この試験結果が、性能保証や設計開発に活かされるため、 極めて高精度のデータを採取できるJIS等の規格が規定されています。
この試験結果が、性能保証や設計開発に活かされるため、 極めて高精度のデータを採取できるJIS等の規格が規定されています。
材料試験片(破壊)の種類
引張試験片
引張試験片は、試験片が破断するまで張力をかけ、素材の引張強度、降伏点、伸び、絞りなどの機械的性質を測定する試験に使われる試験片です。
疲労試験片
疲労試験片は、試験片に応力を繰り返し加え、素材が破壊する限度(疲労限界)を調べる試験に使われる試験片です。
シャルピー衝撃試験片
シャルピー衝撃試験片は、角柱状の試験片に切り欠けが入ったものです。この試験片に衝撃を与えることで試験片を破壊し、その際に要した力(エネルギー)と試験片の靭性を評価するための試験片です。
その他の材料試験片
- 腐食試験片(応力腐食割試験片)
- 靭性評価試験片
- 精密試験片
- 摩擦摩耗試験片
- クリープ試験片
- 破壊靭性試験片
- マクロ組織試験片
- ミクロ組織試験片
材料試験片(破壊)の作られ方 (一例)
試験片に必要な部分の切り出し
試験片づくりの最初の工程は、お客様から頂いた部材から、試験片に必要な部分の切り出しから始まります。
貴重な部材なので、可能な限りムダな部分を出さず、最も効率的にかつ、最大数の材料片を切り出せるよう工夫し、切断機で切り出します。
フライス・旋盤・研磨・放電加工機などによる加工
1.で切り取った素材をフライスや旋盤により材料試験片へと加工します。
信頼できるデータを得る試験片を製作するには、ゆっくり時間をかけ、熱や応力、歪みを出さない、精度の高い加工がもっとも重要です。
そのため、人の手の感覚で微妙な調整が必要な場合は手動のフライスや旋盤を、3軸加工を同時に行う場合や複雑な数値制御が必要がある場合は、全自動制御の機械を使い加工します。
最終検査
製品制作中の各段階の検査を経て、2.の加工と仕上げを施した試験片を最終検査にかけます。
専属の検査員が、専門環境を整えた検査室にて最終検査を実施。
お客様のニーズに応じて、3次元測定機、画像測定機、表面形状測定機、表面粗さ・輪郭形状測定機など、様々な検査機器を駆使し、多角的な検査を行っています。