超音波探傷試験の価格 「昭和製作所の試験片は高い?」
「超音波探傷用試験片の価格、昭和製作所さんのは高いよね」
と、お客様よりお話しいただきますが、『価格が高い』には、
理由がございます。
なぜ昭和製作所の試験片の価格が高くても世の中から求められているのか?
なぜ単価が高くてもリピートしてくださるお客様が多いのか?
その仕組みについて説明してみようと思います。
実際の仕様用途(試験)に合わせた試験片作り
基本的にお客様とお打ち合わせを行います。
お打合せの際、第一声に超音波探傷試験の価格について
気になるお客様がたくさんいらっしゃいます。
その際に、お客様が想像していた価格よりも
遥かに高い価格なり驚かれる事も多々あります。
しかし、実は何度かお打合せさせていただくと、
最初に驚かれた超音波探傷試験の価格よりも
大きく変動することもあります。
具体的な例を挙げてみます。
そんなに大きな超音波探傷用試験片は必要ではなかった!
実際の試験に使用する超音波探傷用試験片は
使用する探触子の屈折角度、探触子の大きさ、JISの規格などにより
超音波が通過するのに不必要な箇所が多いので、小型化できました。
小型化することで
材料費、加工時間、納期等の短縮により
超音波探傷用試験片の価格を下げることが可能になりました。
穴底の形状
使用用途によっては穴底形状を限りなくフラット(平底)に
しなければならない試験片があります。
しかし、斜角探傷試験の中には穴底形状がフラットである必要がない
(ドリル先形状)ことがあります。
昭和製作所の超音波探傷用試験片は
ドリル形状でも高精度となっております。
フラットではなくドリル形状の場合、
加工時間、納期等の短縮により
超音波探傷用試験片価格を下げることが可能になりました。
貫通穴?止まりの穴?
穴径が小さく深い止まり穴加工になると加工時間が
極端に長くなってしまいます。
しかし、実際の試験の用途には止まり穴である必要ではなく
貫通でもいいこともあります。
貫通穴である場合、条件次第にはなりますがドリルではなく、
放電加工等で貫通するほうが、大きく
加工時間、納期等の短縮により
試験片の価格を下げることが可能になりました。
座ぐり加工OK?
穴径が小さく深い穴加工になると加工時間が
極端に長くなってしまいます。
可能であれば座ぐり加工をさせていただくことを提案いたします。
加工時間
穴径小さく深い穴 > 座ぐり加工+穴径小さく浅い穴
加工失敗(ドリル等折れる)のリスク
穴径小さく深い穴 > 座ぐり加工+穴径小さく浅い穴
加工時間、納期等の短縮により
試験片の価格を下げることが可能になりました。
表面粗さ
探傷面の粗さ、探傷に関係ない面の粗さを変更し、
研磨加工が必要な面と必要ではない面にで分けました。
加工時間、納期等の短縮により価格を下げることが可能になりました。
超音波探傷用試験片の加工ノウハウや品質が単価に反映
穴精度はもちろん、図面やJISに記載されていない
穴の直角度や探傷面と平底穴の平行や探傷面の粗さなど
気を使えるところはとことん気を使い、
より超音波が返ってくる試験片作りを心掛けております。
その分、超音波探傷用試験片の単価が高くなるのです。
音響異方性
同じ材料なら異なる角度の超音波を通しても同じ音速であるはずです。
音速とエコーが返ってきた時間(速度と時間)がわかれば、
欠陥までの距離がわかります。
超音波探傷する際に音速が伝搬方向によって異なる
(音響異方性が生じる)ことがあります。
実際の音速が変わってしまうと
正しい欠陥や側面までの距離が分かりません。
昭和製作所が提供するSB410材は
音響異方性がSTB 標準試験片と同程度です。
実測値(長手方向に対して)
0° →縦波5939m/s、横波3240m/s
90°→縦波5939m/s、横波3240m/s
45°→縦波5939m/s、横波3242m/s
減衰
超音波は伝わる過程で徐々に弱まります。
ここで散乱減衰について説明いたします。
金属は小さな結晶の粒でできています。
この結晶と結晶の境目で超音波が反射し、
元々あった直進方向への超音波エネルギーが減少してしまいます。
この現象のことを散乱減衰といいます。
大きな原因としては結晶の粒が大きいことと、
超音波の周波数が高い(=波長が短い)ことがあげられます。
減衰が大きい材料を試験片にしてしまうと、超音波探傷試験する際に
欠陥などを過小評価するといった見落としをしてしまいます。
昭和製作所が提供するSB410材は熱処理などにより、
結晶の粒を限りなく小さく、ムラのないように作られております。
減衰特性はSTB 標準試験片と同程度です。
物価の高騰化
超音波探傷試験片 単価が物価の高騰化により上昇しております。
企業努力はしておりますが、
材料費の高騰化、工具(刃物)代の高騰化は避けられません。
しかし、工具(刃物)や機械の性能、ノウハウの向上により
超音波探傷試験片の品質も同時に向上しております。
素材検査
SB410材はもちろんですが、
その他自給材の素材検査(欠陥)の探傷感度レベルは
STB 標準試験片と同程度となっております。
ご要望に応じで素材探傷や減衰測定、音響異方性測定なども承ります。
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昭和製作所が取り扱う超音波探傷用試験片をご紹介
弊社が取り扱う超音波探傷用試験片の一部をご紹介いたします。
探傷感度調整用試験片
RB-41 №1 SB410 19×65×300 … 53,000
RB-41 №2 SB410 38×65×450 … 82,000
RB-41 №3 SB410 75×100×550 … 170,000
遠距離分解能測定用試験片
RB-RA SB410 … 87,000
RB-RB 1~9 SB410 … 96,000
RB-RB 11~15 SB410 … 59,000
遠距離分解能測定用試験片
RB-RC 1~7 SB410 … 74,000
RB-RC 9~15 SB410 … 69,000
斜角探傷距離分解能測定用試験片
RB-RD SB410 … 120,000
厚さ測定用試験片
RB-E 3~10 SB410 … 65,000
RB-E 12~48 SB410 … 65,000
RB-E 54~60 SB410 … 29,000
他にも特注やオーダーメイド試験片など、ご相談ください。
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