非破壊検査の種類
非破壊検査とは何かご存知でしょうか? ・ ・・ ・・
漢字の通り、破壊せずに、検査すること(非破壊検査)です。
非破壊検査には様々な種類があり、それらの検査の種類をまとめて非破壊検査と呼びます。
非破壊検査の対象物の種類が数多くあるように、検査の方法もそれだけ様々な種類があるのです。
例えば、表層部や内部のキズの検出を行う場合でも、用途によって非破壊検査の種類が異なります。
ここでは、表層部と内部のキズの検出を行う非破壊検査の種類をご紹介いたします。
また非破壊検査の種類の他、試験片ついても次の見出しにて詳しく解説しておりますので、こちらを是非ご覧下さい。
→試験片とは
→材料試験片とは
非破壊検査の種類①表層部のキズの検出
*目視試験(Visual Testing)
人の目で試料の表面状態、形状、異常を検知する非破壊検査の種類の一つです。
大がかりな検査機器を使用しない非破壊検査のため、表面の状態やキズを素早く調べることができます。
またこの非破壊検査においては肉眼、または外観試験ともいいます。
原則としては、目視となりますが機械部品などで狭い箇所の非破壊検査を行う際には内視鏡や拡大鏡、ファイバースコープなど様々な種類の器具を使用します。
【対象物の種類】:材料・機器・構造物など全て適用。
【留意点】:肉眼と試料の距離60cm以内、試験面に対し30°以内。
【問題点】:試験面の照度は最低160Lx、微細欠陥では最低540Lx。
*磁気探傷試験(Magnetic Particle Testing)
磁石と磁粉を使用し、表面又は表面直下のキズを検出する非破壊検査の種類の一つです。
磁石に強く引き付けられる物体(強磁性体)を磁化(磁気を帯びた出せること)すると、材料の中には磁束(磁力線)が発生します。
表面または表面の近くにキズがあると、この磁束の一部はキズを迂回し、材料の表面に漏洩します。
漏れ磁束の検出には様々な方法がありますが、現状では磁粉(微細な鉄粉)が用いられる方法が多いです。
【対象物の種類】:磁石に吸引される強磁性材料だけに適用。
【留意点】:前処理、探傷有効範囲、磁粉の適用に注意する。
【問題点】:蛍光磁粉の場合は、充分暗い場所で観察する。
*浸透探傷試験(Liquid Penetrant Testing)
表面の開口キズを方向関係なく一回の操作で検出することができ、*毛管現象を利用して表面のキズを調べる非破壊検査の種類の一つです。
(毛管現象とは、液体の中に細い管を立て、液体が管の中に上がっていくこと)
【対象物の種類】:表面の開口欠陥のみが検出可能、金属材料、非金属材料一般に適用。
【留意点】:前処理、洗浄処理、現状処理に注意する。
【問題点】:15~50°以外の温度範囲では問題がある。
*渦電流探傷試験(Eddy Current Testing)
棒、管、線のように一様な形状の金属製品を非接触で、高速に探傷することができる非破壊検査の種類の一つです。
この非破壊検査は、コイルの中に試料を通すだけで、棒や管などのキズを検出します。
発電所や石油化学プラントにおける保守検査では、熱交換器の細管などに適用されています。
【対象物の種類】:導電性の材料に適用、形状が複雑な場合は適さない。
【留意点】:試料用コイルの指向性とキズを直行して走査することに注意。
【問題点】:上置コイルを用いるときはリフトオフの影響。
非破壊検査の種類②内部のキズの検出
*放射線透過試験(Radiographic Testing)
放射線の進行方向に奥行きのある内部のキズ(欠陥)の検出に優れている非破壊検査の種類の一つです。
放射線には多くの種類があります。透過試験に利用できるのは、3種類あります。
① X線 ②r線 ③中性子線 です。
但し3つの種類の中でも、③中性子線は、原子燃料、砲弾の火薬、ロケットの火薬など、原紙番号の小さい材料の検査に利用されています。
非破壊検査の通常の試料には3種類のうち、X線、r線が用いられております。
【対象物の種類】:金属材料(鋳物、溶接部)、非金属材料に適している。
【留意点】:最適な 放射線エネルギー、X線フィルム、増感紙の選定。
【問題点】:放射線障害に対する、安全管理が必要。
*超音波探傷用試験(Ultasonic Testing)
超音波を用いて材料内部の欠陥検出など行う非破壊検査の種類の一つです。
超音波は、毎秒何万回という高い周波数の音なので人間の耳には全く聞こえません。
【対象物の種類】:金属及び非金属の素材、機器、構造物に適用。
【留意点】:最適な探触子、接触媒質、操作方法の選定。
【問題点】:粗粒材、銅、鉛は適用困難。腐食部、 塗膜部、曲面部、高温部では注意が必要。
1950年頃から鉄鋼業において、鉄板や鍛鉄鋼に対して非破壊検査の種類の中から主として、垂直探傷法が利用されるようになりました。
また、1970年代より、斜角探傷法が利用されました。
「垂直探傷法」と「斜角探傷法」の2つの種類については、次回の記事にてご紹介いたしますので、是非、ご覧いただけますと幸いです。
こちらの見出しについても、詳しく解説しておりますのでこちらを是非ご覧下さい。
→超音波探傷試験(非破壊検査)
非破壊検査とは?
非破壊検査とは、ものを壊さないで材料の表面や内部のキズの有無・キズの大きさ等調べ、用途に応じた基準と照らし合わせて、材料の品質評価を行い、合否の判定を行います。
非破壊検査は様々な種類がある検査方法ですが、分かりやすい例を挙げると、排水管のパイプや構造物(橋)などの点検で非破壊検査が用いられます。
上記のようなものは、内部のキズを調べるのに壊すことはできませんよね?
そのような場合に対象物の種類にあわせて非破壊検査を行います。
また、非破壊検査にてキズを探すことを「探傷(たんしょう)」といいます。
なお、先程もご説明した通り非破壊検査の種類は多数あります。
非破壊検査の種類の中でも、弊社が主に行っているのは超音波探傷用試験(UT)になります。
次の見出しにて、非破壊検査の種類の一つである超音波探傷試験について詳しく解説しておりますので、こちらを是非ご覧下さい。
→超音波探傷試験
非破壊検査の特徴と超音波探傷用試験片について
非破壊検査には、各種類ごとにそれぞれの特徴があります。
今回は、非破壊検査の種類の中でも弊社が行っている超音波探傷用試験(UT)の性能などについてご紹介いたします。
皆様に、何度かお伝えしてきましたが、超音波探傷用試験(UT)とは何か、お分かりになりましたでしょうか?
ここで、もう一度おさらいしましょう!
超音波探傷用試験片(UT試験片)とは、ものを壊さないで超音波を用いて金属材料の中身を調べ、材料の特性、内部の状況を調査するための非破壊検査の種類の一つです。
弊社は厚さ測定試験片(階段試験片)/人工欠陥サンプル(スリット加工)/超音波探傷感度調整試験片/厚さ測定用試験片の製作を行っております。
お客様独自の非破壊検査に、平底穴(FBH)加工、スリット(溝)加工等、「お客様のご要望」に沿った人工欠陥微細加工が可能です。
弊社のホームページ上に取扱いのある非破壊検査の厚さ測定試験片の価格や品物の写真など掲載しております。
次の見出しに種類や価格について詳しく解説しておりますので、こちらを是非ご覧下さい。
弊社の在庫品(試験片)の種類や価格について
弊社の在庫品(試験片)の種類や価格につきましては、過去の記事で詳しくご紹介しております。
・超音波探傷用試験片の種類はこちらを是非ご覧下さい。
→超音波探傷試験の種類
・超音波探傷用試験片の価格についてはこちらを是非ご覧下さい。
→超音波探傷用試験片の価格
※在庫品以外にも、JIS規格はもちろん、様々な種類や特注品のご依頼も承っておりますので、お気軽にご相談ください!!
特注品の加工実績や技術について
特注品の加工実績につきましては、在庫品で材質違いのもの、厚さ測定用試験片のご希望の段数、その他、多種多様に多くのお客様からご依頼いただいております。
ここでは、過去の特注品の実績についていくつかご紹介いたします。
- 在庫品以外の厚さ測定用試験片
- 在庫品以外の材質の試験片
- 曲面溶接試験体 特注品製作
材質:STK400 材料手配 - UTレベル2垂直探傷試験片/木箱 特注品
材質:SB410 支給材 - RB-SDH 特注品
材質:SNCM439 - GTAW特注品プレート
材質:SPCC 材料手配
超音波探傷試験など非破壊検査関係のご依頼は弊社までご相談下さい!
今回は、非破壊検査の種類や特徴、弊社の特注品の加工実績についてご紹介いたしました。
ご依頼の際、過去に次の様な条件などで断られた案件などがある方はいらっしゃるのではないのでしょうか
「複雑な製品などから複数個の試験片の切り出しが必要な場合」
「この材質でも加工依頼可能か ?」
「図面や指示書など無いが大丈夫か?」
非破壊検査の種類などについてお悩みになる前に、お困り事があれば是非、お気軽に弊社までご相談下さい!