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FC200の加工(旋削・切削)や材料の特徴・性質についてわかりやすく解説します

2024/5/14

FC200の加工(試験片)は昭和製作所へ

FC200の加工をご検討されている方は昭和製作所へご相談ください。昭和製作所では試験片の製作を中心に金属加工を行っており、求められる精度をクリアした品質の高い試験片や部品などを製作します。

FC200の加工においては、加工会社によってご依頼をお断りされるケースがあります。なぜなら、切削時に出る切粉が切削液と混ざり、ヘドロ状となって機械内部の部品に目詰まりを起こすことがあるからです。そういった理由から、昭和製作所では保有加工機の一部※で対応いたします。
※切断機、汎用加工機、マシニングセンタ、NC旋盤、平面研削盤、放電加工機

ただし、サイズ・量によって要相談となりますのでまずは一度お問い合わせください。今回はFC200の加工について詳しくご説明します。

FC200とは?まずは特徴や性質を解説します

FC200は、ねずみ鋳鉄または普通鋳鉄と呼ばれる鋳鉄の一種で、引張強さが200MPa以上のものを指します。JIS規格で定められており、主に機械部品や構造部品等に用いられています。
その性質は、鉄鋼よりも強度は低く脆いものの、硬く、耐摩耗性に優れているという特徴があります。また、切削性にも優れており、複雑な形状にも加工できます。

さらに振動を吸収する性質に優れていることから、振動の影響を抑えたい機器の部品などに用いられることもあります。FC200は、主に以下のような用途で使用されています。

  • 機械部品
    歯車、軸受、クランクシャフト、カムシャフト等
  • 構造部品
    フレーム、ハウジング、台座等

ただ、FC200を使用する際には以下の点に注意が必要となります。

  • 鉄鋼よりも脆いため、衝撃に弱い
  • 錆びやすいので、防錆対策が必要

FCとFCDの違い

FC(ネズミ鋳鉄)とFCD(ダクタイル鋳鉄)はどちらも鋳鉄ですが、組織中に含まれる黒鉛の形状が異なります。FCは片状黒鉛を、DFCは球状黒鉛を含有しています。黒鉛の形状の違いにより、材料特性や用途にも大きな違いがあります。

FCとFCDを比較
性質 比較
硬度 FC<FCD
延性 FC<FCD
耐摩耗性 FC<FCD
加工性 FC<FCD
振動減衰性 FC>FCD
価格 FC<FCD

それぞれこのような違いがあることから、FCは耐摩耗や振動の吸収性が求められる部品などに使用されますが、FCDはより高い強度・高度・靭性が求められる部品などに使用されます。

FC200の加工方法

FC200の加工方法は大きく分けて3つあります。

  • 切削加工(旋削・研削など)
    FC200は硬度が高いものの、切り屑が小さいために切削抵抗が抑えられ、また含有される黒鉛が潤滑剤としての役割も果たすため、切削性に優れています。
  • 熱処理
    熱処理によって、強度や耐摩耗性を向上させることができます。
  • 表面処理
    鋳鉄は錆びやすいため、耐食性の向上などを目的として表面処理が行われます。

これらの加工にもさまざまな種類があり、切削加工においては使用される工具や機械も種類によって異なります。よって、加工する形状、求める精度や向上したい性質、コスト等を考慮して最適な方法を選択しなければなりません。

昭和製作所ではご支給材の場合、成分情報を事前にいただけますと最適な加工方法をご提案いたします。

FC200を加工するときの工夫や注意点

FC200の切削加工にはいくつかの注意点があります。FC200は加工性が良いですが、硬くて脆い素材のため、欠けないよう注意をしながら切削を行います。また錆びやすい材料のため、油性の切削液で加工を行うことで、錆が極力出ない様、工夫をしています。
このように細心の注意を払いながら加工するため、品質よく仕上げることができるのです。

材料によって加工時のリスクは異なります。昭和製作所は金属加工において熟知しておりますので、リスクなどを考慮しながら適切な方法で加工を行います。

FC200の加工の向き/不向き

FC200は、先ほどご紹介した切削加工などの加工性は良好ですが、塑性加工や溶接には不向きです。以下では、それぞれの工法について、FC200が不向きな理由を説明します。

塑性加工は、金属材料に塑性変形を施して形状を変える工法です。代表的な塑性加工には、圧延、鍛造、プレス等があります。 FC200は鋳鉄であるため、鋼材に比べて塑性が低く割れやすいため、塑性加工には不向きです。特に、冷間加工は割れの発生リスクが高いため、避けましょう。

溶接は、金属材料を融かして接合する工法です。FC200は溶接時の急激な温度変化によって割れやすいため、溶接には不向きです。また、溶接部周辺の組織が変化し、強度が低下する可能性もあります。

FC200を加工して製作した試験片の事例

FC200の加工会社を選ぶ際に、事例を見ておきたいという方も多いでしょう。昭和製作所では、試験片を中心に加工・製作を行っておりますので、ここではFC200の試験片の事例をご紹介します。

弊社では、FC200を用いた摩耗PINなどの製作実績があります。耐摩耗性が高い素材であることから、摩耗PINのご依頼をいただくことが多いです。その他の鋳鉄素材の加工事例につきましてはこちらをご覧ください。

昭和製作所では依頼内容にあわせて加工をご提案

加工の依頼をする際に、どの加工がベストなのかわからないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。FC200を加工するにも、製作内容によって適した工法は異なります。

昭和製作所では、ご依頼内容にあわせた加工をご提案させていただきます。鋳鉄の場合は、成分情報などを事前にお伝えいただけますと、より良い方法で加工いたします。鋳鉄に限らず、他の金属材料につきましてもご不明な点がございましたら、ご依頼の際にあわせてご相談ください。

FC200の試験片製作に関するご相談・ご依頼はこちら

FC200の試験片製作をお考えの方は、昭和製作所へご相談ください。今回は試験片の事例をご紹介しましたが、治具や部品の加工にも対応しております。ただし、FC200などの鋳鉄の場合は、寸法や量によって要相談となりますので、まずはお問い合わせいただければと思います。

また、昭和製作所は多品種・小ロットに対応しております。FC200でなくても、その他の素材で試験片や治具、部品の製作も必要な場合はあわせてご相談ください。

【お問い合わせはこちら】
連絡先:03-3764-1621
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