news

FC200とFC250の違いや選び方について、昭和製作所が解説します

2024/3/29

JIS8号引張試験片(FC250)

FC200とFC250の基本知識

FC200とFC250は、ねずみ鋳鉄もしくは普通鋳鉄と呼ばれる鋳鉄の一種です。鋳鉄は鋳物の一種であり、一般的な炭素鋼よりも炭素の含有量が多く、2.0%以上含まれています。炭素以外にケイ素なども含まれていますが、その他の化学成分についてはJIS規格で定められていません。

なお、ねずみ鋳鉄という呼称は、破断面が灰色であることに由来します。組織観察を行うとフェライト素地、パーライト素地に分類されます。両素材共に黒鉛が花片を集合させたような形(片状黒鉛)で分散しています。

炭素が多く含まれているねずみ鋳鉄は、硬度が高く耐摩耗性に優れています。また、振動減衰性や耐熱性が高いことも特徴の一つです。これらの特性から、耐摩耗性や耐熱性、耐食性、振動吸収性が要求される部材に応用されています。

FC200とFC250を比較する

FC200とFC250は同じねずみ鋳鉄ですが、それぞれどのような素材なのか疑問を持たれる方もいるのではないでしょうか。

FC200とFC250については、それぞれJIS規格JIS G 5501-1995「ねずみ鋳鉄品」で定められています。ただし成分はほぼ同じであるため、なぜ名称が分かれているのかという点も気になっている方が多いと思います。本見出しでは、JIS規格をもとに、FC200とFC250の成分や硬度、耐久性、加工性を比較しながら分かりやすく解説します。

材質の違いとその特性

FC200とFC250が構成される主成分の元素には違いはなく、前述の通り含有量に関してもJIS規格では定められていません。ただし、一般的にFC250の方が炭素の含有量が少なく、ケイ素の含有量は多い傾向にあります。その理由は、JIS規格で規定されている引張り強さや硬さを満たすためです。

鋳鉄をはじめとする鋼材の機械的強度は、炭素やケイ素の含有量によって変化します。炭素含有量が少なく、ケイ素含有量が多いほど鋼材の強度は上がります。

硬度と耐久性の比較

JIS規格では機械的強度(引張り強さ、硬さ)が、それぞれどのように定められているのかをご紹介します。

記号 引張強さ(N/mm2) 硬さ(HB)
FC200 200以上 223以下
FC250 250以上 241以下

表を見ると、FC250の方がFC200よりも引張強さや硬さの数値が高いことが分かります。よってそれだけ成分の含有量も異なるというわけです。なお、ねずみ鋳鉄はFCの後に付く数字が引張強さを表します。数字が大きいほど、硬度や耐久性が高いことを覚えておくと良いでしょう。

加工性について

FC200とFC250では、切削性に顕著な違いはありません。どちらも切削性に優れているため、ここでは同じ鋳鉄である白鋳鉄(破断面が白色の鋳鉄)と比較します。

切削性は、材料の硬度と大きく関係があります。硬度が高い材料は切削しにくいため、切削性は良くありません。FC200やFC250は白鋳鉄よりも硬度が低いため、切削性が良好であると言えます。ただし、一般的な金属材料と比較すると、脆いため切削中に欠ける事があります。

また、どちらの材料も塑性加工性や溶接性は良くありません。これは延性が低く、脆い材料であることが理由として挙げられます。したがって、塑性加工や溶接を行いたい場合は、ねずみ鋳鉄の使用を避けましょう。

FC200とFC250の違い

FC200とFC250の大きな違いは引張り強さと硬さです。先程比較解説した内容をまとめると、FC250はFC200よりも強く硬い素材ですが、FC200はFC250ほどの引張り強さや硬さはありません。そういった違いがあることから、明確な規定はないものの成分含有量もそれぞれ異なるというわけです。

FC250材

材料メーカーによっては成分の含有量を公開されているところもありますので、FC200もしくはFC250の材料を購入される際は、炭素とケイ素に着目すると良いでしょう。そのほかの特性(切削性、耐摩耗性、振動吸収性など)につきましてはほぼ違いはありません。

用途に応じた適材適所の選定

FC200とFC250はどちらもねずみ鋳鉄であり、成分含有量も類似しているため、同じ用途で使用されることが多いです。

炭素含有量の多いねずみ鋳鉄は、比較的硬度が高く、耐摩耗性に優れています。振動減衰性も高いことから、振動や騒音が発生する部材に適用されます。したがって主な適用対象は、耐摩耗性や振動減衰性(振動を吸収して減衰させる性質)が要求される部材です。

具体的には、自動車エンジンのピストンやスリーブシリンダー、ギアなどが挙げられます。また、ねずみ鋳鉄は耐熱性にも優れています。金属の溶融炉や自動車のブレーキディスクといった高熱が負荷される部材にも使用できます。

昭和製作所のFC200・FC250の取扱について

昭和製作所ではFC200とFC250のどちらも切削加工が可能です。FC材は鋳鉄であるため、切削性は良くとも、その切粉が加工機に蓄積して機械を傷めたり、切削液と混ざって根詰まりを起こすことがあります。そのため、加工業者によっては依頼を断るケースがあります。

昭和製作所では、試験片製作を中心にご依頼を承っております。治具・部品につきましては、ワークの大きさや数量などによって要相談となります。

お客様のニーズに応える高度な加工技術

昭和製作所ではFC200やFC250に限らず、金属全般の加工(フライス・旋盤・ワイヤー放電など)に対応しており、お客様が求める寸法、形状、仕上がりなどを高い技術を用いて再現します。

そして徹底した品質検査をした上で納品しますので、弊社の試験片は精度を要する試験において、より正確な結果を残すことができるのです。そのため、これまでに多くの産業分野でご依頼をいただいており、弊社の試験片が活用されています。

充実した設備と蓄積されたノウハウ

fc200 fc250 ワイヤー放電加工

昭和製作所では充実した加工機(切断機、マシニングセンタ、NC旋盤、ワイヤー加工機など)を保有しており、さらに金属加工を専門とするプロの手によってさまざまなニーズにお応えします。

特に試験片製作においては、複雑な形状だと材料の切り出しが難しいと断られるケースもあります。昭和製作所では豊富な経験から切り出し方法や切り出し箇所を工夫し、試験片を製作します。このような経験を生かした加工は昭和製作所にしかできません。

FC200とFC250の加工なら昭和製作所にお任せください!

FC200とFC250はほぼ違いがありません。もし材料選定でお悩みの方は、引張り強さと硬さに着目されると良いでしょう。

FC200とFC250の試験片製作においては、昭和製作所へご相談ください。弊社では加工実績も豊富で、自社HPにも実績をいくつかご紹介しております。加工会社をお探しの方は一度実績などご覧いただくと、判断されやすいかと存じます。
加工事例一覧はこちら

金属加工・試験片加工につきまして、ご相談・ご依頼は下記お問い合わせ先よりご連絡ください。
【お問い合わせはこちら】
連絡先:03-3764-1621
お問い合わせフォーム