試験片(合金)の加工・製作のご依頼は昭和製作所へ
試験片(合金)の加工・製作なら、昭和製作所へお任せください。
弊社では合金以外にも、研究開発途中の材料や未知の材料への難加工を様々な形で取り組んでおります。
ご依頼の際、複雑な製品からか、複数個の試験片の切り出しが必要であったりした場合において「難しい」という理由で断られたという方もいるのではないでしょうか。
そういったご相談でも柔軟に対応いたしますので、まずはお問い合わせください。
ここでは、例として合金の試験片の加工事例や特徴をご紹介いたします。
合金とは?
合金とはどのような物質かご存知でしょうか。
合金とはある金属に、他の金属または非金属の元素1種類以上が混ぜ合わさってできた化合物のことをいいます。
合金は金属的性質を持っていることが一般的です。
合金のなかでも鉄が主体となり、混ぜ合わさったものを「合金鋼」といいます。
鉄の単体である「純鉄」は柔らかすぎて製造がより困難であり、材料としての性能も低く、あまり実用的ではありません。
合金鋼となるように作り替えることで、純鉄をより実用的な性質とすることができます。
つまり合金とは、様々な物質を混ぜ合わせることで性質を変化させ錆びにくくしたり、加工しやすくしたり、耐久性を高めたりすることができるのです。
なお、純鉄についてはこちらもご覧ください。
→純鉄
合金の種類について
合金には様々な種類があり、混ぜ合わせる組み合わせによって名称が異なります。
弊社では多くの合金の種類に対応しております。
精密な加工を施し、信頼できる結果が得られる高精度の試験片を製作します。
ここでは合金にはどういった種類があるのか、弊社で対応している一部の材料について、名称や特性などをご紹介します。
ここで紹介したもの以外の材料にも対応しておりますので、ご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。
アルミニウム合金
アルミニウム合金は、強度が不足しているアルミの足りない性質を補うために金属性質をあわせたものです。
JIS規格ではAから始まる4桁の数字に分類されています。
■アルミニウム合金の種類と特性
・A1000系
純度99%以上のアルミニウム合金(通称:純アル)です。
純度が高く強度が低いので、造物や機械部品には向いておりません。
・A2000系
Al-Cu系合金です。機械的強度が鋼に匹敵する一方で耐食性は劣ります。
・A4000系
Al-Si系合金です。
熱膨張係数が低いと耐熱性が優れ、融点が低いと溶接用ワイヤーや、ろう材として使用されます。
・A5000系
Al-Mg系合金です。
最もよく使われているのがアルミニウム合金 A5000系です。
強度もよく溶接性が優れています。
・ A6000系
Al-Mg-Si系合金です。
Siが含まれているので、ジュラルミンよりも耐食性が優れております。
溶接性も向上しております。強度はジュラルミンより大きく下回ります。
・ A7000系
Al-Zn-Mg系合金/Al-Zn-Mg-Cu系合金 です。
熱処理を行うことで高い強度を得ることができます。
アルミニウム合金の試験片の製作事例は、過去の記事でもご紹介しているので、ご参考ください。
→アルミニウム合金の試験片、治具、試作等の加工 -加工実績材料一覧
ステンレス
ステンレスは鉄を主成分としている金属で、クロム(Cr)が11%以上含まれています。
正式名称はステンレス鋼で、英語では「さびにくい鋼(Stainless Steele)」といわれているようにさびにくさが特性の一つです。
ステンレスも細かい種類がたくさんあるのですが、大まかに分けると5つに分類されます。
■ステンレス鋼の種類と特性
・フェライト系
フェライト系に属するSUS400系の成分は大きく分けると、13Cr系、18Cr系、25Cr系に分類されます。
主要成分としてCrを含み、耐食性の観点より炭素量の制限もされています。
一般的には磁石につく材料です。
低Cr側鋼(0.08%C以下)、炭素量0.05~0.15wt.%
Cr量が多いステンレス鋼に比べ、溶接性、衝撃性、硬さなどの機械的特性は良いですが、耐食性は低いです。
・マルテンサイト系
成分元素はフェライト系ステンレス鋼とほぼ同じですが、炭素量に違いがあります。
フェライト系と比べ、強度、耐摩耗性など機械的性質を向上させるため、焼入れ―焼き戻し 処理を行い使用致します。
その為、炭素量は約0.15~0.12wt.%と高くなります。
またCr量の上限は約18wt.%となります。
焼きなましは機械加工時の切削性や冷間加工を容易にし、金属組織の調整が目的となります。
焼戻しはじん性の改善と応力除去が目的となります。
使用用途により、高温焼戻し(構造用) 600℃~750℃急冷、低温焼戻し(刃物用) 100℃~180℃空冷、の選択を要します。
・オーステナイト系
耐食性が優れ、機械的性質も広範囲に変化させることが出来るステンレス鋼となります。
しかし、孔食、すきま腐食、応力腐食割れなどの局部腐食には弱いです。
熱処理につきましては粒界腐食防止を目的とします。
粒界腐食を抑える為、炭化物を生成する炭素量を抑えることが必要となります。
・オーステナイト・フェライト系(二相ステンレス鋼)
高温にて生成されるフェライトをδフェライトと呼ばれ、熱間加工による割れ防止や溶着金属に有効です。
フェライト+マルテンサイト相、フェライト+オーステナイト相などCr量、Ni量さらに添加される合金元素の種類と量により、細分化されています。
ステンレスの試験片の製作事例は、過去に掲載した記事でもご紹介しているので、ご参考ください。
→ステンレス鋼の試験片、治具、試作等の加工 -加工実績材料一覧
銅合金
銅合金とは、銅と他の物質が混ぜ合わさってできた化合物のことをいいます。
加工しやすいほか、熱伝導性・通電性・耐食性(錆びにくい)などに優れているといった特徴があります。
また、銅合金については、別のコラムにてご紹介いたします。
ここでは一部の種類をご紹介いたします。
【銅タングステン】銅とタングステンの合金です。切削性・摩耗性にも優れています。
【真鍮(黄銅)】銅と亜鉛の合金です。比較的切削加工がしやすい素材です。
合金の試験材料・素材一覧
合金の試験材料・素材ですと、JIS規格によって各種、種別や方法が多数あります。
それでは例として、先程もご紹介したアルミニウム合金の一部をご紹介します。
【例】アルミニウム合金の場合の材料一覧
- 板及び条・・・A1050、A5083など
- 押出形材・・・A6063、A7075など
- 鋳物・・・ADC12、AC4CHなど
こういった材料を、JIS規格で定められた寸法に加工します。
引張試験片の場合は、JISZ2241の「金属材料引張試験片方法」で区分(形状)や定例・比例試験ごとに材料の寸法の詳細が記載されています。
そして、それぞれの寸法によって◯号試験片と表記されます。
例として、次の見出しでJIS4号試験片(素材:アルミニウム合金)の事例を詳しくご紹介しておりますので、ご参考ください。
合金の加工事例・試験片(テストピース)製作実績をご紹介
当社では購入材はもちろん、支給材(製品や素材)から試験片を製作することを得意としています。
■試験片の製作事例:JIS4号引張試験片
引張試験片については、過去に掲載した記事をご覧ください。
・名称
JIS4号引張試験片
お客様のご支給材から試験片を製作しました。
・材質
Al合金丸棒
Al合金(Al, Si, Mg, Fe, Cr系熱処理なし)
・加工内容
インゴット舟型から切り出し
下記のJIS規格の図を元に、お客様のご希望の形状及び寸法を製作します。
■試験片の製作事例:Al合金
ご支給材 加工内容:引張試験片、衝撃試験片、疲労試験片、摺動試験片、腐食試験片など
■試験片の製作事例:AU-Ag-Sn 合金
ご支給材 加工内容:測定用試験片
■試験片の製作事例:Ni合金 自給材(ミルシート付き)
加工内容:圧縮試験片、引張試験片、疲労試験片、腐食試験片
試験片(合金)のご相談・ご依頼承ります
試験片(合金)の加工事例や材料の特徴についてご紹介しました。 今回ご紹介した事例以外にも、当社には豊富な加工事例がございます。
「図面がない」 「こんなこと依頼できるだろうか」 「どう説明すればいいかわからない」
など、お困り事があれば是非、協力させてください。
弊社は合金をはじめとした素材以外にも、あらゆる材料に対応しており、高品質・高精度の試験片を製作します。
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